Cooperation and assortativity with dynamic partner updating | PNAS
Cooperation and assortativity with dynamic partner updating Supporting Information
著者は六次の隔たりなどで有名なダンカン・ワッツ.
人との繋がりをネットワーク構造で表現して囚人のジレンマゲームをプレイさせる.
囚人のジレンマゲーム
問題
囚人のジレンマ - Wikipedia
共同で犯罪を行った思われる囚人A、Bを自白させる為、警官は2人に以下の条件を伝えた。
もし、お前らが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
だが、お前らのうち1人だけが自白したらそいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合自白しなかった方は懲役10年だ。
ただし、お前らが2人とも自白したら、2人とも懲役5年だ。
この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。
なおここで2人は双方に同じ条件が提示されている事を知っているものとする。また、彼らは2人は別室に隔離されていて、2人の間で強制力のある合意を形成できないとする。
実験
基本設定
- 参加者は24人
- 実験環境は Amazon Mechanical Turk
- 匿名化され,idでしか相手を認識できない
囚人のジレンマゲーム
- 各ユーザにはリンクが繋がった neighbor が表示される
- 各ラウンドにおいて,ユーザは戦略A/Bのいずれかを選ぶ
- Aは協調,Bは裏切り
- 「自分の戦略/相手の戦略 (自分の報酬/相手の報酬)」と記述すると,A/Aの場合は(4, 4),A/Bの場合は(-1, 7),B/Aの場合は(7, -1),B/Bの場合は(1, 1)
- 自分の戦略と neighbor 全ての戦略を付きあわせてスコアを合計する
- 12ラウンド繰り返す
- ユーザには,他の全ユーザが直近5ラウンドでA/Bどちらの戦略を取ったかが表示される
ネットワーク構造
- ネットワーク構造の変更が許されている
- Phase 1
- 切断
- 今の neighbor とのリンクを切る.これは相手の許可無く実行できる
- 接続
- 今 neighbor でない相手にリンクの申請をする
- 切断
- Phase 2
- 承認
- 他のユーザからの接続申請を承認するかしないか選ぶ
- 承認
- このネットワーク構造の変更はrラウンドごとに行われ,k人までリンクの申請が可能になる(r及びkはパラメータ)
- ネットワーク構造の初期配置はクリークとランダムグラフの両方で行われる
結果
- ネットワークの初期配置によって結果に差は出なかった
- これは驚くべきことらしい
- rが小さいほど,協調戦略を取る割合が高くなる
- パートナーを更新するユーザほど最終的な報酬が多くなる
追加実験
協調/裏切りの場合の報酬を(-1, 7)から(-5, -7)に,裏切り/裏切りの場合の報酬を(-1, -1)変更して実験.これは
- 裏切り者と繋がる事によりコストをかける
- 裏切り者同士が繋がっても得が無いようにする
という狙いがある.
この実験の結果は,確かに裏切り者はリンクが繋がらなくなるが,それでも人はリンク構造を増やして協調しようとするという結果が出る.
結論
人間関係の更新大事.報酬が増えまくる.